PARAWIND Laboratory

臨時設置型風向風速送信機の製作

無線機以外は全て簡易風向風速ロガーと同じケースに収めたので、とてもコンパクトに仕上がりました。
センサーが防滴構造でないため常設できないので、臨時設置型ということになります。

風向風速送信機プリント基板 SSWM2から風向風速データーを受け取り、音声信号に変換して無線機に送る回路基板WBS1を作りました。
マイコンはSSWM2と同じPIC16F877を採用し、SDカードコネクタを背面に実装できるようになっています。
風向風速送信機ケース内 SSWM2基板の上にクロスするような位置でWBS1基板を立体的に収めました。
動作確認のために、WBS1にもLCDモジュールを取り付けられるようになっていて、アクセス中のファイル名を表示したりしますが、実際の運用では必要ないため、WBS1もSSWM2もLCDモジュールは取り外してあります。
音声データーファイルと各種の設定情報は、あらかじめパソコンでSDメモリーカードに書き込んでおき、SSWM2から受信した情報にあわせてマイコンが音声データーをSDカードから読み出して再生します。
SSWM2の設定もSDカードに設定ファイルを書き込んでおくことで電源オン時に再設定できるようにしたので、通信ケーブルをPCに接続することなく設定できるようにしました。
平均風速の平均化時間をデフォルト設定の10分間から2分間に変更して使うことにしました。
風向風速送信機コネクタ ケースの背面(開閉用のヒンジがある側)に音声出力用のピンジャックコネクターと充電用のプラグジャックを取り付けました。
風向風速送信機接続図 無線機は市販の特定小電力トランシーバーを使い、ピンジャックケーブルでマイク端子に接続しています。
充電用のプラグジャックに12VのACアダプタを繋げることで充電ができます。 準定電流充電方式なので、充電には15時間ほどかかります。
風向風速送信機セレクタースイッチ 設置場所を臨機応変に変えられるよう、音声メッセージを簡単に変更できるセレクタースイッチを付けました。 電源スイッチも兼ねています。
SDカードに5種類までの音声ファイルをファイル名に付加した番号で区別して書き込んでおきます。
メッセージの内容を変えるだけでなく、設置場所によって声を変えるなどできます。
音声データーはWAVフォーマットのPCM音声ファイルなので、Windowsにおまけで付いているサウンドレコーダーを使ってマイクから自分の声を録音することで簡単に作成できます。
また、テキスト読み上げソフトなどを使って合成音声で作成することもできます。
音声ファイルは、「いち」、「なんなんせい」、など、単語毎にぶつ切りにしておき、それをつぎはぎして再生する方式です。
風向風速送信機三脚設置 三脚に乗せてTOに設置してみました。
転倒防止と盗難防止を兼ねたワイヤーを風見のポールに渡し、そのワイヤーに特定小電力無線機がぶら下がっている格好です。
LDにいながらにしてTOの風が判るので便利です。
LDに設置してフライト中に聞けばアプローチの参考になるはずと思いますが、まだ試していません。
朝、フライトを始める前に設置して、夕方エリアクローズになる頃に撤収します。
最長で10時間くらいになりますが、電池は一日中もってくれました。
風向風速送信機運用図1 別のTOに設置した様子です。
無線機は三脚の下のところにぶら下がっている格好です。

写真だけでは送信している様子がわからないのでムービー撮影しました。
手に持っているトランシーバーの音がムービーのマイクに入って聞こえています。
音声はフリーのテキスト読み上げソフトで作成したものです。
MOVIE
風向風速送信機取付けフレーム1 三脚での設置は手軽ですが、パラグライダーの機体が当たって倒れたりすることがあるのと、高さが低すぎて風見の状態と比べるとかなりずれているという問題があったので、風見のポールがある場所ではポールの上に設置できるように、アルミフレームの設置台を作りました。
ゴムバンドで簡単に取り付け取り外しができるようになっています。
風向風速送信機取付けフレーム2 風向風速送信機と無線機を取り付けるとこのようになります。
フレームの長さを左右非対称にし、無線機の下に錘を付けることで、ちょうど天秤のようにバランスが取れるようになっています。
風向風速送信機運用図2 実際に風見のポールに取り付けてみました。
無線機の場所も高くなったので、より遠くまで放送が届くようになりました。
風向風速送信機運用図3 風洞実験の結果、今までの設置方法では上昇風のときに正確な測定ができないことがわかりましたので、風向風速計を逆さにしてポールに取り付けるようにしました。
方位が逆周りになりますが、SSWM2のセンサーローテーションジャンパを切り替えることで簡単に対応できます。
他に整流板をセンサー上部に取り付けるなどの方法も考えましたが、整流板の効果はまだ風洞実験で確かめてなく、逆さに取り付けるほうが簡単なので応急処置的にこのようにしました。
風向風速送信機運用図4 高いポールに設置するときはこのようになっています。
改良の結果、風見の状態から大きく外れた風速を放送してしまうという不具合はなくなりました。
下降風が吹くと、そのときは正確な測定ができないことになりますが、下降風が吹いているような条件のときはテイクオフできる可能性がないときなので、TOに設置する用途では問題ないと考えています。
風向風速送信機運用図5 エンビ板で整流板を作って取り付けてみました。
実際に運用してみた結果、下降風でも上昇風でも良好なようです。
風洞実験の結果も良好だったので、この形を最終版とすることにしました。


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