WM10完成後の基本的なチェック手順


WM10-A キャリブレーション手順に記載のようにパソコンに接続した結果、ターミナルソフトにデーターが送られてこない場合、またはキャリブレーションしてもその直後の無風における風速の測定結果が0.5m/sを超える場合はなんらかの不具合があると思われます。
データーが送られてこない場合は電源周りを重点的にチェックし、測定結果が異常な場合は回路図を参照してトランスデューサーからマイコンに至るまでの配線を重点的にチェックしてください。
キャリブレーションが完了して再起動したとき、または$Zコマンドで再起動させると、最初にキャリブレーション時の気温(Tc)と再起動時の気温(Tm)が送られてきます。
この値が実際の気温から大きく外れているときは温度センサーの取り付けミスかハンダ不良が疑われます。

目視チェック

キットの完成後不具合となった場合、ほとんどの原因は部品の挿入ミスかハンダ不良によるものです。
まず、各基板の部品表とシルクパターン図を参照して全ての部品が正しい場所に取り付けられているか確認してください。
また、ICとダイオードおよび電解コンデンサには極性があり方向が決まっていますので、正しい方向で取り付けられているか確認してください。

WM10-B基板とWM10-R基板にはそれぞれ2つずつ計4つのショートランドがあります。
WM10ベーシックキットでは4つともショートし、WM10ケーブルキットでは4つともショートしません。
間違えていないか確認してください。

部品の一部が未ハンダとなっている可能性もあります。
ハンダ面から見てハンダ付けを忘れている端子がないか確認してください。

ハンダブリッジによって配線がショートしている可能性もあります。
ハンダブリッジがないか全てのハンダ付けか所を確認してください。

芋ハンダによって接触不良になっている可能性もあります。
ハンダ付けか所のハンダの濡れ性を見て疑わしい部分はフラックスを流したり新しい糸はんだを少量追加してハンダ付けを直してください。

ハンダ付けのコツについて記載されているサイトをいくつか紹介します。
RS-online はんだ付けの基本
murata 電子工作のコツ
SkillsBuild STEMラボ

テスターを使ったチェック

WM10-A基板にFT232RLを接続してもデーターが送られてこない場合は、まずターミナルソフトの設定が正しいか確認してください。
また、FT232RLの電源LEDが点灯しているか確認してください。
次にテスターで電源が供給されているかどうかチェックしてください。
テスター棒の-をS1に、+をS3に繋いで5Vの電圧が出ていなければ電源ラインの接触不良、ショート、部品の挿入ミスなどが考えられます。
FT232RLを外した状態でS1とS3の間の抵抗値を測って、ほとんど0Ωなら電源とGNDがショートしている可能性があります。
5Vの電圧が出ているのにパソコンにデーターが送られてこない場合は、いったんWM10-A基板からFT232RLを外し、ターミナルソフトの設定が正しいか再確認してから再びWM10-A基板にFT232RLを接続してください。
それでもなにもデーターが送られてこない場合は、マイコンの取り付けミスやハンダ不良、PS4ソケットのハンダ不良が疑われます。
もしもV211220など、Vに続く数字6文字が送信された後止まってしまう場合は、マイコン内蔵アンプ2段目周りの配線に問題がある疑いがあります。
C3, R14, R17, C9に芋ハンダによる接触不良やハンダブリッジによるショートがないか確認してください。
WM10-B基板を取り付けたままでもキャリブレーションできますが、不具合が疑われる場合はWM10-B基板を取り外した状態でキャリブレーションしてください。
キャリブレーションが成功してからWM10-B基板を取り付け、モジュラーケーブルでWM10-R基板と接続し、FT232RLをWM10-R基板に取り付けてパソコンと接続します。
WM10-A基板とWM10-B基板のS1,S2,S3は必ず同じスペーサーに取り付けなければなりません。
また、FT232RLの取り付け方向も逆にならないように注意してください。
取り付けが正しくてもデーターが送られてこない場合はWM10-B基板かWM10-R基板に不具合があると考えられます。
テスターでWM10-B基板に電源が供給されているかどうかチェックしてください。
テスター棒の-をS1に、+をS3に繋いで5Vの電圧が出ていなければ電源ラインの接触不良、ショート、部品の挿入ミスなどが考えられます。
WM10-Bに5Vの電圧が来ていなかった場合は、モジュラーケーブルを外してWM10-Rのモジュラージャックから電源電圧が出ているかチェックしてください。
WM10-Rから電源電圧(ベーシックキットでは5V、ケーブルキットでは約11V)が出ている場合はWM10-B側の不具合、出ていなければWM10-R側の不具合と考えられます。
WM10-Bに5Vの電圧が出ているのにパソコンにデーターが送られてこない場合は、部品の取り付けミスやハンダ不良の可能性が考えられます。
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